Lꗗ

天狗岳登山(下)

ファイル 120-1.jpg 東天狗岳頂上直下はさすがに天狗と言われるだけありグンと斜度が増している。天狗岩と呼ばれる岩塔が天狗の鼻に見立てられているらしい。食料とカメラと最小限の緊急対策用品しか担いでいないのに、普段のトレーニング不足で思うようにペースを維持できない。途中で下山する40名ほどの学生に癒やされたり、後から迫る中高年のご婦人グループを振り切りながら、標準的なコースタイムどおりの4時間30分程で登頂できた。ちょうど12時だ。
 山頂の南側でかなり平らな石がテーブルに好都合な場所で食を摂り、温かい飲み物を飲みながら、しばらく周りの人たちを観察していた。根石岳(2,603m)を往復することも考えたが、即決で却下された私たちには下山するには充分な時間と、下りてから車を運転することなく直ぐに宿に入ることができる安心感がそうさせたのだろう。早く山頂標識で記念写真を撮ろうと仲間を急かす神経質そうな初老の男性や、同じグループのメンバーに背を向けるようにして、弁当を掻き込む寡黙な老紳士。山ガールの様相を微塵も感じさせない屈強なアラフォー女性等々。実におもしろい。あえてそれらの方と会話を交わすことはしないし、好んで友好を求めることもしない。続き
 私が座していた場所がいくぶん標識の近くの順光で撮影するにはちょうどいいポイントに位置していたことと、ハイアマチュアが使いがちの一眼レフカメラを所持していることもあり、2つのグループからカメラのシャッターを押してほしいと求められた。普段は愛想の良くない私だが、いくぶん気持ちもハイになっているので、なんの躊躇もすることなく応えていた。なんとなれば、気の利いたジョークを発したりもした。
 下りは、西天狗岳(2,645.8m)を経由して唐沢鉱泉へのルートをとった。計画段階では、唐沢鉱泉から天狗岳西尾根を登り、西天狗、東天狗、黒百合平の周遊コースを考えていたのだけれど、経験浅いメンバーの希望で今回の逆(?)ルートを選択したのは、間違いではなかったようだ。西天狗岳から第2展望台までの急な下りを登攀することを考えるとぞっとする。白山の五葉坂の比ではない。
 しかし、第1展望台までは順調に下山してきたが、そこから先は、単調な下りでまったくといって眺望もよくないうえに、昨秋一度訪れてはいるが、距離が異様なくらい長く感じた。新調した靴のせいだろうか?糖度の高い飲み物の摂りすぎだろうか?思いの外良い画が撮れなかった失意の念からだろうか?13時過ぎに下山し始めたが、駐車場に着いたのは16時50分で、途中の2箇所ある展望台と枯尾の峰への分岐で、かなりの時間の休憩をとり、結果4時間近くもかかってしまった。書きそびれたが、雨こそ降らなかったが、時折ガスに包まれる決して良い天候ではなかったが、心配していた豪雨の影響は皆無で、登山道は極めて良好であった。