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RETINA (#117)

ファイル 144-1.jpg ドイツ「ナーゲル社」が買収されてから2年目の1934年、初代レチナ(Type117)が発売された。現在も市販されているパトローネ入り35mmフィルムを初めて採用したカメラだ。このモデルはオリジナルレチナあるいはファーストレチナなどと呼ばれType118とともにクラシックレチナとして人気が高い。
 外観は、軍幹部左右に巻き戻しノブ、巻き上げノブが特徴的な平板で大きく、仕上げは以降のモデルによくあるクロームメッキは施されず黒エナメル塗装のみである。
 使い方は、フィルムを装填しファインダー左のフィルムカウンターをリセット(0にする)し、1コマ分を巻き上げるとロックされるので撮影を行う。ファインダー右のフィルムリリースノブを回転させるとロックが解除されフィルムが巻き上げられるようになる。シャッターボタンは例のショートレリーズだ。セルフコッキングでないコンパーではシャッターダイヤルがBまたはTの状態でシャッターセットレバーを動かしてはならない。セットしないままシャッターのレリーズ操作をすれば動作する。フィルムを巻き戻すには、巻き上げノブの中央にあるリリースレバーを「A」から「R」に切り換えるとフィルムスプールがフリーになることを忘れない。なお、フロントドアーの開閉は他のモデル同様、ボディー底のボタンで開き、ヘリコイドを無限遠にセットしレンズボード上下のロック解除ボタンを押しながら閉めることができる。一連の操作は大判カメラを操るように多くの儀式が求められ、少しでも間違えようものなら必ずどこかを損傷するに違いない。
 レンズは、カラーバランスの良い、シュナイダー・クロイツナッハ・クスナーである。コントラストがやや低いといわれているが当時のモノクロではその辺りの描写はどうだったのだろうか。この個体には Schneider Kreuznach Xenar F3.5/5cm Compur T,B,1-1/300sec.が搭載されている。80年も経っていることを感じさせないくらい綺麗で、モノクロ写真撮影時の常用フィルターとして使われる黄フィルターが付いている。