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槍ケ岳へ行こう1

 10月9日~11日の3連休に槍ケ岳へ行ってきた。今回は他のメンバーの事情が許さないので、私1人の山行だ。
 前夜の10時30分に自宅を出発し、途中食料などを調達し、新穂高ファイル 60-1.jpg温泉の深山荘前無料駐車場に着いたのは2時30分を少し回っていた。紅葉のシーズンとあって駐車場はほぼ満車状態だ。それでも、何とか一番前のより近い位置に駐車できた。何台かの室内灯が灯っているところを見るとおそらくみんな早朝発の準備でもしているのだろう。私も手際よくパッキングを済ませ、睡眠導入的効果のある飲み物を飲んで仮眠することにした。
 6時に駐車場を出発。冬型の影響かひとしきり降る冷たい雨を寝覚めの顔に受けながら、左俣谷の林道を歩み始めた。快調にとばしていたので、7時にはワザビ平小屋、11時前に鏡平山荘に到着。まぁ標準のコースタイムだ。依然雨は止まず、小屋の自炊場を借りて昼食にする。自炊場といっても雨がしのげる程度で、外来者用のトイレのすぐとなりなので、他のことを考えていないととても優雅に食事とはいけない。11時30分に再出発。弓折分岐で小休止をし双六小屋には14時30分に着いた。今日はここで1泊2食でお願いする。続き
 ズブ濡れの雨具を乾燥室に預け、自炊室を覗いた。お腹がすいていたというより、冷え切った体に暖かいスープ的なものでも飲もうと思ったからだ。体を温めるだけなら、ストーブのある談話室で休むのも一つの方法だが、たいていみんな黙って本などを読んでいるだけで全くつまらない。見ず知らずの人でも自炊室の方が断然会話に花が咲く。案の定、テーブルに着くや否や、矢継ぎ早に質問を投げかけられた。理由は、先日買ったG'zストーブがみなさん珍しかったようだ。確かにアルピニストのアイテムとしては少々お洒落すぎる。続いて、彼らのストーブの点火が鈍い原因をボンベの低温であることを指摘すると、さすがに私をただ者ではないと判断したのであろう、ますます質問攻めに合うことになった。少々気をよくしたので、ラーメンの具に生野菜やハムを分けてあげた。ファイル 60-2.jpg
 この時、私の隣に座った草刈民代似の女性も単独登山で、翌日のルートも同じとあって、いろんなことを話しあった。また、私が飲み物や手持ちの調味料を勧めると、酸味の利いたドライフルーツをくれたり、ますます会話は盛り上がった。ふだん無口な私しか知らない同僚たちがこんな姿を見たら何と思うだろう。
 夕食の時刻になったので、食堂へ行くと男性1人女性2人の3人組の空いた1席へ案内された。1人のときはこれがいたたまれない。黙って食事をそそくさと済ませて退室しようか、相手方の出方を見て体よく愛想を振りまこうか。まさかこちらからあれこれと話しかける勇気など持ち合わせてはいない。しかし今回は、案ずるより産むが易し、3人のうち一番若いと思われる女性が自分たちのことより先に、「ご飯をよそいましょうか」的なことを言ってくれ、間髪を入れずにもう1人の女性が愛想良くお味噌汁をよそってくれた。評判の美味しい夕食を頂きながら、最初はありきたりの自己紹介的な会話をし、今回のルートや登山遍歴を話し、次第に話題はいろいろな方向へ広がり、得意のジョークも飛び出した。おもしろいことにこの3人組はインターネットの某有名サイトを介して知り合ったという居住県も年齢も全く違うパーティーであった。そのことを知らされる前は、ご夫婦とそのどちらかの妹か、父娘と再婚した若い奥さん、かと思っていた。そのことを告げると、また爆笑を誘った。話しは尽きないが、後片付けのスタッフの怒りを買わないうちに解散した。(つづく)